旅のテーマ

日本三大鍾乳洞とは

岩手の龍泉洞、山口の秋芳洞、高知の龍河洞。青く沈む地底湖、皿を並べたように連なる石灰華段、弥生時代の壺を包み込んだ鍾乳石。同じ石灰岩の地下でありながら、三洞とも見せるものがまるで違う。

日本三大鍾乳洞は、岩手県岩泉町の龍泉洞、山口県美祢市の秋芳洞、高知県香美市の龍河洞を指す。三洞とも国の天然記念物で、秋芳洞はさらに特別天然記念物に指定されている。いずれも歩道と照明が整えられ、片道1km前後を歩いて見学できる観光洞である。

日本三大鍾乳洞 一覧(北から南へ)

鍾乳洞名 所在地 見どころ
龍泉洞 岩手県岩泉町 公開されているのは約700m。第一から第三までの地底湖を見学でき、第三地底湖は水深98mに達する。澄んだ水がドラゴンブルーと呼ばれる青に沈む。1938年に「岩泉湧窟及びコウモリ」の名で国の天然記念物へ。
秋芳洞 山口県美祢市 秋吉台の地下100mほどに広がり、総延長は11.2kmを超えて国内第2位。約1kmの観光路をたどると、畦石が皿を並べたように重なる百枚皿と、床から天井へ届く巨大な石柱の黄金柱が現れる。1952年に特別天然記念物へ。
龍河洞 高知県香美市 総延長約4kmのうち約1kmが観光コース。奥には弥生時代の壺が置かれたまま鍾乳石に覆われた「神の壺」が残る。人の暮らした跡が洞内に残ることから、1934年に天然記念物と史跡の両方に指定された。

三大鍾乳洞と呼ばれる由来

誰がいつ三つを選んだのかを示す資料は見当たらず、選定の経緯ははっきりしない。ただし三洞には、国の文化財として早くから保護されてきたという共通点がある。指定が最も早いのは龍河洞で1934年(昭和9年)、次いで龍泉洞が1938年(昭和13年)。秋芳洞は1922年(大正11年)に天然記念物、1952年(昭和27年)に特別天然記念物となった。

規模でいえば秋芳洞が抜けているので、三洞が並べて語られてきたのは長さの順位ではないだろう。水を見せる龍泉洞、造形を見せる秋芳洞、人の痕跡を見せる龍河洞と、洞ごとに主役が違う。三つの名前が混ざりやすい人も、この分け方なら取り違えにくい。

鍾乳洞とカルスト台地は同じ現象の裏表

鍾乳洞は、雨水や地下水が石灰岩を溶かしてできた空洞である。同じ溶食が地上で進むと、すり鉢状のくぼみや白い石灰岩柱が点在するカルスト台地になる。地下に空洞ができるのと、地上に白い岩が現れるのは、一つの現象の裏と表にあたる。

その関係がいちばん見やすいのが秋芳洞で、真上には日本三大カルストの秋吉台が広がる。洞には正面口のほかに台上へ通じるエレベーター口があり、奥の黒谷口から秋吉台の展望台までは1kmほどの遊歩道が続く。地上の草原を歩いてから地下へ下りれば、同じ石灰岩が場所によってどう姿を変えるかを一日で見比べられる。

めぐり方のヒント

三洞は岩手・山口・高知に分かれ、北端の龍泉洞と南端の龍河洞は直線でも約970km離れている。まとめてめぐる旅は組みにくいので、東北・中国・四国それぞれを訪れる旅に一つずつ組み込むのが現実的である。ただし秋芳洞と龍河洞のあいだは直線で約210kmと三洞のなかでは近く、山陽から瀬戸内海を渡って四国へ抜ける旅なら二つを続けて収められる。

洞内は夏でも涼しい。秋芳洞は年間を通しておよそ17℃で、外が真夏でも中は上着がほしくなる。三洞とも気温は季節でほとんど動かないので、盛夏でも羽織るものを一枚持っていきたい。

足元は年中濡れている。水を含んだ石灰岩の床はよく滑るため、サンダルやヒールは避け、滑りにくい靴で行く。天井の低い区間や急な階段もあるので、荷物は背負って両手を空けておくとよい。

よくある質問

Q. 日本三大鍾乳洞の覚え方は。

北から順に龍泉洞(岩手県)・秋芳洞(山口県)・龍河洞(高知県)。「龍」のつく二洞が東北と四国の端にあり、そのあいだの中国地方に秋芳洞が入る、と挟んで覚えると並びごと思い出しやすい。

Q. 秋芳洞は何と読むのか。

「あきよしどう」と読む。「しゅうほうどう」と読まれることがあるが、これは合併前の秋芳町(しゅうほうちょう)の町名と混同したもので、洞の名の読みは「あきよしどう」である。

Q. 秋芳洞と秋吉台は別の場所なのか。

上下の関係にある。秋吉台は地上に広がるカルスト台地で、その地下に秋芳洞がある。どちらも国の特別天然記念物で、洞内から台上へ出るエレベーター口もあり、歩いて行き来できる。

Q. 三大鍾乳洞のほかにも大きな鍾乳洞はあるのか。

ある。沖縄の玉泉洞、岐阜の大滝鍾乳洞、山口の景清洞など、観光公開されている鍾乳洞は全国にある。三大鍾乳洞は長さや規模の順位ではなく、慣用として並べられてきた三つを指す呼び名である。

日本三大鍾乳洞を、アプリで集める。

めぐたびは、旅に「行く理由」を与えるテーマ別に全国のスポットを発見・記録・収集する無料アプリ。日本三大鍾乳洞をはじめ73のテーマを収録。訪れた鍾乳洞を記録して、踏破を目指せる。

めぐたびのマスコット「めぐのすけ」
テーマ一覧へ戻る