旅のテーマ

大仏めぐり

大仏殿の奥に座る奈良の大仏、空を背にする鎌倉大仏、遠くからでも見える牛久の立像。大きさに驚いたあとで、姿や造り方に目を向けると、それぞれ違う旅の目的地になる。ここでは牛久・鎌倉・高岡・岐阜・奈良の5か所を見比べる。

「大仏めぐり」は、めぐたびに収録した大仏のある5スポットを訪ねるテーマである。全国の大仏を網羅した一覧や、大きさの上位5体を選んだランキングではない。奈良時代の造仏事業から、鋳物のまちが再建した像、胎内に展望空間を備えた立像まで、時代と地域による違いを楽しみたい。

奈良の大仏は東大寺の盧舎那仏(るしゃなぶつ)。鎌倉・牛久・高岡は阿弥陀如来、岐阜は釈迦如来で、同じ「大仏」という呼び名でも表している仏は同一ではない。

大仏めぐり 一覧(牛久・鎌倉・高岡・岐阜・奈良の順)

スポット名 所在地 見どころ
牛久大仏 茨城県牛久市 茨城の空に立ち上がる青銅製の阿弥陀如来。像高100m、台座を含めて120mの立像を、まず庭園から仰ぎたい。胎内には写経の空間や地上85mの胸部展望台があり、外から見る姿と内側の空間を体験できる。
鎌倉大仏 神奈川県鎌倉市 高徳院に座る国宝の銅造阿弥陀如来。1252年に造立が始まったと記録される像は、約11.3mの仏身を屋外に現す。膝の上で結ぶ手と衣のひだを見てから、胎内で鋳造の継ぎ目を確かめると造り方にも目が向く。
高岡大仏 富山県高岡市 まちなかで円い光背を背負う青銅製の阿弥陀如来。火災で失われた木造像に代わり、1933年に現在の像が完成した。地元の鋳物職人と寄付をした人々の力が結びついた、高岡の銅器文化を伝える大仏である。
岐阜大仏 岐阜県岐阜市 正法寺の堂内に座る金色の釈迦如来。1832年に開眼した像は、木の軸組と竹の下地に紙を貼り、漆と金箔で仕上げた「籠大仏」。青銅の像とは異なる造りを思い浮かべながら、堂内いっぱいの姿を見上げたい。
東大寺 奈良県奈良市 奈良の大仏として知られる盧舎那仏を大仏殿に安置する。聖武天皇の発願を受け、752年に開眼供養が営まれた。像高は14.98m。巨大な堂の中で向き合うと、仏像と建築が一体になった造仏事業の規模が伝わる。
めぐたびの「これまでの旅」画面。20件のスポットと20個のテーマが記録され、うち3テーマを踏破したことと、踏破したテーマの一覧が表示されている
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奈良・鎌倉・牛久の大仏は何が違う?

奈良の盧舎那仏と、鎌倉・牛久の阿弥陀如来は、いずれも「大仏」と呼ばれるが、仏の名前も姿も異なる。奈良と鎌倉は座った姿で、牛久は立った姿。奈良では堂の柱や屋根と見比べられ、鎌倉では空や木立が背景になり、牛久では離れた場所から全身を眺められる。

奈良の大仏は743年の聖武天皇の詔に始まる事業で、752年に開眼供養が行われた。その後も兵火や災害を経て修復されており、すべてが当初のまま残っているわけではない。鎌倉大仏は1252年に銅像の造立が始まったとされ、もとは大仏殿に納められていた。堂が失われ、室町時代末までには今のように屋外に座る姿になった。

大仏の材質の違い|高岡の青銅と岐阜の籠大仏

高岡では木造の大仏が二度の大火で焼失し、現在の像は青銅で再建された。完成までには鋳造だけでなく研磨や着色も必要で、資金難のなか、地元の職人が道具や材料を持ち寄って仕上げに参加した。大仏を見ることは、まちを支えてきた金属加工の技に出会うことでもある。

一方、岐阜大仏は金属を鋳込んだ像ではない。木材で骨組みを造り、周囲に竹を組んで土壁下地で形を整え、その上に経典などの紙を貼り、漆と金箔を重ねている。竹を籠のように組むことから「籠大仏」と呼ばれる。金色の表面だけでは分からない、内側の造りの違いが面白い。

大仏の高さを比べるときは「像高」と「総高」を分ける

像高は仏像そのものの高さで、台座などを含めた総高とは異なる。東大寺の像高は14.98m、鎌倉大仏の仏身高は11.312m。牛久大仏は像高100mに台座20mを加えた総高120mであり、120mをほかの像高とそのまま並べると測る範囲が違ってしまう。

さらに、座像と立像では姿勢も違う。この5か所は高さの順位を競う一覧ではなく、堂内・屋外・まちなかといった出会い方を比べる一覧として使いたい。

めぐり方のヒント

5か所は関東・北陸・東海・関西に分かれている。一度の旅でつなぐより、行き先に合わせて1か所ずつ訪ねると、それぞれのまちも楽しめる。関東の牛久と鎌倉も同じ市内ではないため、別の日の目的地として考えたい。

牛久は大仏の庭園と胎内を一緒に、鎌倉は長谷周辺の散策と組み合わせる。高岡ではまちなかの大仏から鋳物のまちの歴史へ、岐阜では正法寺と岐阜公園周辺へ、奈良では東大寺から奈良公園周辺の寺社へと旅を広げられる。奈良の寺社を続けて訪ねるなら、古都奈良の文化財の地域別の巡り方も参考になる。

鎌倉の胎内拝観は鋳造の内側を見る体験、牛久の胎内は写経や展望などの空間をめぐる体験で、内容が違う。拝観時間・受付状況は訪問前に各寺院の公式案内で確認したい。特に鎌倉では高温時に胎内拝観の受付が変わることがある。

よくある質問

Q. この5か所が「日本三大仏」なのか。

違う。このページは、めぐたびの「大仏めぐり」に収録した5スポットを紹介するもの。「日本三大仏」の顔ぶれを決めたり、全国の大仏に順位を付けたりする一覧ではない。

Q. 奈良の大仏と東大寺は同じものを指すのか。

東大寺は寺院の名前で、奈良の大仏はその大仏殿に安置される盧舎那仏の通称である。めぐたびでは訪れるスポットの名前を「東大寺」としている。

Q. 鎌倉大仏の作者は分かっているのか。

高徳院の案内では作者は不明とされている。造立開始の年代が伝わっていても、作者まで確定しているわけではない。

Q. 大仏めぐりに決まった参拝順はあるのか。

めぐたびのこのテーマには決まった順序はない。近くの大仏や、過去に訪れたことのあるスポットから記録し、次の旅行先に合わせて巡っていけばよい。

大仏めぐりを、アプリで集める。

めぐたびは、旅に「行く理由」を与えるテーマ別に全国のスポットを発見・記録・収集する無料アプリ。大仏めぐりをはじめ73のテーマを収録。行ったことのあるスポットをタップするところから。登録も入力も不要で、いくつ踏破しているか分かります。

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